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名ばかり監査役|横領の見落とした責任は?

企業法務顧問弁護士

日本では、会計に詳しくない人が名誉職として監査役に就任していることが多々あります。

このような監査役を名ばかり監査役と言いますが、名ばかり監査役が従業員の横領を見落とした場合にどの程度の注意義務や損害に対しどの程度の責任を負うのかについて、1審、控訴審で判断が異なり、最高裁で差し戻しとなった事案があります。

非上場の印刷会社で経理担当の元従業員が2007年から2016年までの間に、会社の当座預金口座から自身の口座へ送金を繰り返し、計2億3500万円超を横領した事案です。

会社側は、横領した元経理担当の従業員と、監査で不正を見落とした元会計限定監査役の両方に損害賠償を求めて提訴し、元経理担当はその後死亡したため、元監査役に対する裁判となりました。

横領が始まった07年5月期の監査では、元経理担当からカラーコピーで偽造された残高証明書を渡され、それを原本だと元監査役は思い込み。以降は、白黒コピーを確認し偽造だと気づかなかったというのが元監査役の主張となります。

一審の地裁判決は、元監査役の任務懈怠を認めて約5700万円の賠償を命じたました。

これに対し、控訴審判決は「特段の事情がないときには、会社作成の会計帳簿に不適正な記載があることを積極的に調査発見すべき義務を負うものではない」とし、責任はないと判断しました。

最高裁は「計算書類等に示された情報が会計帳簿の内容に合致していることを確認すれば、常にその任務を尽くしたといえるものではない」と指摘し、高裁へ審理を差し戻しました。

監査役は多くの会社で選任されているため、今回の最高裁判決は監査役の調査義務の程度や損害賠償を負う範囲などについて大きく注目されています。

名誉職としての監査役を引き受けている方や会社に対し、警鐘を鳴らす判例と言えます。

監査役、取締役などの損害賠償責任、会社の損害問題などでお悩みの方は、お気軽に当弁護士事務所へご相談下さい。

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