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コラボ景品の従業員持ち出し

|企業法務|刑事事件

従業員が会社の商品・景品を持ち出したら何罪?窃盗罪と業務上横領罪の違いを札幌の弁護士が解説

会社の商品やキャンペーン用の景品を、従業員が会社に無断で持ち帰っていたことが発覚した場合、会社としては「これは犯罪ではないのか」「窃盗罪になるのか、それとも横領罪になるのか」といった疑問を持つことがあります。

特に、人気キャラクターの商品や数量限定の商品などは、転売目的で従業員が不正に持ち出すケースも考えられます。

実際に、人気キャラクターとのコラボレーション企画をめぐり、景品の取り扱いについて問題となった事例も報じられています。

では、従業員が会社の商品や景品を無断で持ち出した場合、どのような刑事責任を負うのでしょうか。

この記事では、札幌の弁護士が、従業員による商品の持ち出しと窃盗罪・業務上横領罪の違い、会社が請求できる損害賠償、懲戒処分などについて解説します。

従業員が会社の商品を持ち出すと窃盗罪になる?

従業員が会社の商品を無断で持ち出した場合、まず問題になるのが**窃盗罪(刑法235条)**です。

窃盗罪は、簡単にいうと、他人が占有している財物を、その人の意思に反して持ち去ることで成立する犯罪です。

例えば、店舗の倉庫に保管されている商品を、従業員が会社の許可なく持ち出して自宅に保管した場合などが典型例です。

もっとも、従業員が会社の物を持ち出したからといって、必ず窃盗罪になるとは限りません。

ここで重要になるのが、刑法上の「占有」です。

窃盗罪と業務上横領罪の違いは「占有」

会社の財産を従業員が不正に取得した場合、窃盗罪だけでなく**業務上横領罪(刑法253条)**が問題になることがあります。

両者を区別する際の重要なポイントが、その財物を誰が占有していたのかという点です。

会社が占有している商品を、従業員が会社に無断で持ち去った場合には、窃盗罪が成立する可能性があります。

これに対し、従業員が業務上、自分の管理下で預かっていた会社の財物について、自己のものとして処分した場合には、業務上横領罪となる可能性があります。

つまり、

会社の占有を侵害して持ち去った → 窃盗罪

業務上自己が占有する会社の物を自分のものにした → 業務上横領罪

というのが基本的な考え方です。

「店長だから横領」とは限らない

実務上、注意しなければならないのは、従業員の肩書だけで犯罪名が決まるわけではないということです。

例えば、「店長が持ち出したから横領」「アルバイトが持ち出したから窃盗」と機械的に判断することはできません。

実際には、その従業員にどの程度の管理権限が与えられていたのかが重要になります。

例えば、

・商品の保管場所を管理していた
・倉庫の鍵を管理していた
・商品の出庫を自分の判断で決定できた
・在庫数を管理していた
・会社から商品の管理を任されていた

などの事情を具体的に確認する必要があります。

反対に、一般のアルバイト従業員が、会社の指示に従って商品を運んだり陳列したりしているだけであれば、商品の占有は会社側にあると判断され、無断で持ち出した場合には窃盗罪が問題となる可能性があります。

キャンペーン景品を従業員が抜き取った場合

キャンペーン用の景品についても基本的な考え方は同じです。

例えば、会社が顧客に配布するために保管しているフィギュアや限定グッズを、従業員が客に渡す前に無断で持ち出した場合を考えてみましょう。

会社が景品を管理・保管しており、従業員には単に補充作業などが任されていただけであれば、従業員が無断で持ち帰った行為について窃盗罪が成立する可能性があります。

一方、その従業員が景品の保管・出庫について独立した管理権限を持ち、業務上自己の占有する会社の景品を自分のものにしたと評価される場合には、業務上横領罪となる可能性があります。

そのため、実際の事件では、景品の管理体制や従業員の権限を詳しく調査することが必要です。

従業員が持ち出した商品を転売した場合

持ち出した商品をメルカリなどのフリマサイトや、その他のインターネット上のサービスで転売した場合には、問題がさらに大きくなる可能性があります。

例えば、会社の商品を無断で持ち出した上で第三者に販売し、その売却代金を自分のものにしていたのであれば、窃盗罪または業務上横領罪だけでなく、会社に生じた損害についても問題になります。

また、同じ商品を大量に持ち出していた場合には、単発の行為ではなく、継続的・計画的な不正行為であったことが疑われることもあります。

会社としては、商品の在庫記録、監視カメラ映像、レジデータ、倉庫への入退室記録、従業員間のメッセージ、フリマサイトへの出品記録などを確認することが重要です。

客が正規に獲得した景品を転売する場合は?

これとは反対に、客が正規の方法でキャンペーンに参加し、景品を獲得した場合には、その景品は客の所有物になります。

そのため、客が自分で獲得した景品を後から第三者に売却したとしても、通常、それだけで窃盗罪や横領罪が成立するわけではありません。

重要なのは、その商品をどのような経緯で取得したのかという点です。

正規に取得した商品なのか、それとも従業員が会社に無断で持ち出した商品なのかによって、刑事責任は大きく異なります。

会社は従業員に損害賠償を請求できる?

従業員による商品の不正持ち出しについては、刑事責任とは別に、会社から従業員に対する損害賠償請求が問題になります。

例えば、不正行為によって会社に商品の仕入れ費用、調査費用、再発防止のための費用などの損害が発生した場合、会社が従業員に賠償を求めることが考えられます。

ただし、会社が主張する損害のすべてについて当然に賠償請求できるわけではありません。

特に、キャンペーンを中止したことによる売上減少などについては、その損害が従業員の行為によって直接生じたものなのか、損害額をどのように算定するのかなどについて慎重な検討が必要です。

懲戒解雇になる可能性もある

会社の商品を故意に持ち出す行為は、会社に対する重大な背信行為となる可能性があります。

就業規則に懲戒事由が定められていれば、戒告、減給、出勤停止、降格、懲戒解雇などの懲戒処分が検討されることがあります。

もっとも、重大な処分を行う場合には、就業規則上の根拠があるか、事実関係が十分に確認されているか、処分が行為の内容に照らして相当かなどを検討する必要があります。

会社側が十分な調査をしないまま従業員を懲戒解雇すると、後に処分の有効性を争われる可能性もあります。

従業員の不正が疑われる場合、会社はどう対応すべきか

従業員による商品や現金の持ち出しが疑われる場合、会社として重要なのは、感情的に本人を追及することではなく、まず証拠を確保することです。

具体的には、

・在庫数と帳簿を照合する
・防犯カメラを確認する
・商品の入出庫記録を確認する
・倉庫の鍵の管理状況を確認する
・フリマサイト等への出品状況を調査する
・関係する従業員から事情を聴取する
・不正行為による損害額を算定する

といった対応が考えられます。

その上で、窃盗罪なのか業務上横領罪なのかを含めて刑事責任を検討し、必要に応じて警察への相談・被害届・告訴、従業員に対する損害賠償請求、懲戒処分などを検討します。

札幌で従業員の窃盗・横領問題を弁護士に相談するなら

従業員が会社の商品、現金、景品、備品などを無断で持ち出した場合、単なる社内ルール違反として処理できないケースがあります。

一方で、「会社の物を持ち出した」という事実だけから、直ちに窃盗罪や業務上横領罪の成立を判断することもできません。

誰がその財物を占有していたのか、従業員にどのような管理権限があったのか、どのような方法で持ち出したのか、会社にどのような損害が発生したのかを具体的に確認する必要があります。

従業員による不正が疑われる場合には、証拠が失われる前に事実関係を整理し、刑事・民事・労務の各側面から対応を検討することが重要です。

札幌で従業員による窃盗、業務上横領、商品の不正持ち出し、会社への損害賠償請求などについてお悩みの場合は、弁護士にご相談ください

 

 

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