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くら寿司「ちいかわ」着服転売の法的解説

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くら寿司「ちいかわ」景品をフリマサイトで購入したら返還義務はある?弁護士が解説

2026年9月、くら寿司の「ちいかわ」コラボキャンペーンで、従業員による景品の不正取得が発覚しました。くら寿司はキャンペーンを中止し、警察への相談やフリマサイト運営会社との連携を進めると発表しています。

この問題で気になるのが、フリマサイトで景品を購入した人の法的責任です。不正に取得された商品だと知らずに購入した場合でも、返還を求められるのでしょうか。購入代金の返還や刑事責任の問題も含め、弁護士が解説します。

1 購入した景品を返還しなければならないのか

従業員が会社の景品を無断で持ち出して販売した場合、購入者がその景品の所有権を取得できるかが問題となります。

原則として、他人の物を無断で販売しても、販売した人が当然に所有権を取得できるわけではありません。ただし、民法192条の「即時取得」が成立すれば、購入者が所有権を取得できる場合があります。

即時取得には、取引によって動産の占有を取得したことに加え、購入者が善意かつ無過失であることなどが必要です。

そのため、不正取得された商品だと知らず、知らなかったことについても過失がなければ、購入者が所有権を取得できる可能性があります。

2 不正取得を知らなければ問題ないのか

重要なのは、購入者が不正取得を知らなかっただけでなく、知らなかったことについて過失がなかったかという点です。

例えば、キャンペーン開始前から景品が出品されていた場合や、同じ出品者が非売品を大量に販売していた場合には、入手経路を疑うべき事情があったと判断される可能性があります。

もっとも、大量出品や高額販売だけで直ちに過失が認められるわけではありません。出品時期、価格、出品者の説明、商品の性質などを総合的に判断する必要があります。

3 善意の購入者にも返還義務が生じる場合がある

民法193条は、盗品または遺失物について、被害者などが盗難・遺失から2年間、占有者に対して回復を請求できると定めています。

したがって、景品が法律上の盗品に当たる場合には、購入者が善意・無過失で所有権を取得していても、返還を求められる可能性があります。

ただし、今回のように従業員による不正取得が問題となる場合、窃盗と横領では法的な扱いが異なります。民法193条が適用されるかどうかは、景品の持ち出し方などを踏まえて検討する必要があります。

また、民法194条は、盗品などを競売、公の市場、または同種の物を販売する商人から善意で買い受けた場合について、被害者が回復する際に代価を弁償する必要があると定めています。

ただし、フリマサイトでの購入が同条の要件を満たすかは、取引の具体的な事情によります。購入者に必ず返還義務が生じるとも、返還を拒めるとも、一律にはいえません。

4 景品を返した場合、購入代金は取り戻せるのか

景品を返還することになった場合、購入代金を誰に請求できるかも問題となります。

まず、販売した出品者に対して、売買契約の解除や債務不履行に基づく損害賠償などを請求できるか検討します。ただし、請求が認められても、出品者の身元が分からない場合や資力がない場合には、実際の回収が難しいこともあります。

一方、フリマサイトの運営会社が当然に返金義務を負うわけではありません。運営会社の責任は、利用規約や具体的な対応、法的義務違反の有無などによって判断されます。

購入者は、取引画面、支払記録、出品ページの画像、出品者とのメッセージなどを保存しておくことが重要です。

5 購入者が刑事責任を問われることはあるのか

刑事責任については、刑法256条の「盗品譲受け等」が問題となります。同条2項は、盗品その他、財産に対する罪に当たる行為によって得られた物を有償で譲り受けた者について、10年以下の拘禁刑および50万円以下の罰金を定めています。

もっとも、犯罪の成立には故意が必要です。不正取得された物だと知らずに通常の取引として購入しただけで、直ちに刑事責任を負うわけではありません。

他方、不正取得された物である可能性を認識しながら購入した場合には、刑事責任が問題となる可能性があります。故意の有無は、購入時の認識や取引状況などを踏まえて判断されます。

6 フリマサイトで購入する際の注意点

フリマサイトで非売品を購入する際は、価格だけでなく、出品時期、出品数量、入手経路などにも注意しましょう。

不正取得された商品だと知らずに購入した場合でも、民事上の返還問題が生じる可能性はあります。しかし、購入者が必ず返還しなければならないわけではなく、即時取得の成否や盗品等の回復に関する規定の適用などによって結論が変わります。

景品の返還を求められた場合や、購入代金の回収に困った場合には、取引記録を保存した上で、個別の事情に応じて弁護士に相談することをお勧めします。

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