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企業の担当者は労働実態と異なる求人票にご注意を

労働問題

みずほ綜合法律事務所の【労働問題、労務管理講座】第4回です。

先日、以下のニュースを目にしました。

「全国の国立大学86校のうち11校で、「給与が大幅に違った」など、求人と実際の労働条件の食い違いに関する相談が学生らから寄せられていたことが共同通信のアンケートで21日、分かった。」(「求人詐欺」、11校で学生被害【2016/03/21 17:16 付け共同通信『共同ニュース』(http://www.47news.jp/news/2016/03/post_20160321171701.html)】より引用 )

以前も、ハローワークの求人票と労働実態が異なる、というニュースが出されていましたが、今回はこの求人票の問題点について、ご説明したいと思います。

多くの会社では、ハローワークなどに求人を出されてる機会があると思いますが、「求人票と実際の労働実態が大幅に違う」場合に、法的に問題が生じるため、この点についてご説明したいと思います。

企業としては当然多くの学生に応募してもらいその中から良い人材を発掘したいというのは、当然の考えかと思います。

そのために学生を誘引する求人票にはなるべく多くの学生が応募したくなるような内容の記載をする、ということに非常に苦慮されている企業も少なくないのではないかと思われます。

しかし、今回、問題となっているケースのように、「実際の給与体系よりも大幅に高い」表示を求人票に記載している場合、職業安定法に違反し、刑事罰を科される可能性があります。

具体的には、職業安定法第5条の3第2項において、企業は、求人の申込みにあたりハローワークなどに対して、労働者が従事すべき「業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない」と規定されています。例えば、給与体系を曖昧な記載にしていたり、実態と大きく異なる記載をしていたりする場合は、「明示」したことにならず、この規定に違反することになる可能性があります。

そして、職業安定法第65条柱書及び第8号には、「虚偽の広告をなし、又は虚偽の条件を呈示して・・・労働者の募集・・・を行った者」は、「6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する」と規定されています。

つまり、労働実態と違う給与体系などの虚偽の条件を求人票に載せている場合には、職業安定法に違反し、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金という刑事罰が科される可能性があります。

今回の一連の報道では、早急な国の対策を求める声なども多数報じられているようであり、今後、国がこの点についての規制強化などに乗り出す可能性も充分にあります。

企業の方としては、上記の罰則があるという法律的な観点からはもちろんですが、こうした報道などをされることにより将来的には有能な人材の獲得が困難になるというリスクも充分理解された上で、求人票の記載に労働者の誤認、誤解を生むような記載を無くす様、今一度求人票の内容をチェックされるようにしてみて下さい。

なお、給与を記載した求人広告をみて、応募し働いたところ、実際の給与が求人広告より低いという場合は、雇用契約書がない場合、求人広告の給与が支払うべき給与と法的に認定される可能性があるため、雇用契約書の作成やその内容の見直しなども併せてチェックされることをお勧めします。

労働問題についてはこちらもご覧ください。

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