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借地上の建物の共有持ち分、地主への買い取り請求権成立せず 最高裁

|不動産|不動産問題

借地上に建てられた建物を第三者が取得した場合、土地の所有者である地主から借地権の譲渡を承諾してもらえなければ、一定の要件のもとで「建物買取請求権」を行使できる場合があります。

では、借地上の建物そのものではなく、建物の共有持分だけを取得した場合にも、建物買取請求権を行使できるのでしょうか。

この点について争われた事件で、最高裁判所は2026年8月28日、共有持分を取得した第三者による建物買取請求権の行使を認めない判断を示しました。

今回の最高裁判決は、借地権の譲渡や建物買取請求権だけでなく、近年増えている「共有持分を取得して地主との交渉を行う不動産取引」にも影響を与える可能性があります。

最高裁で争われた事件の概要

問題となったのは、借地上に建てられた店舗兼住宅です。

もともとの建物所有者が亡くなった後、親族4人が建物を相続し、それぞれ4分の1ずつの共有持分を取得しました。

その後、相続人のうち3人が、自らの共有持分を不動産関連会社に売却しました。

不動産会社は、地主に対して土地の賃借権の譲渡について承諾を求めましたが、地主側はこれを認めませんでした。

そこで不動産会社は、借地借家法に定められた建物買取請求権に基づき、地主側に対して建物の共有持分を買い取るよう求めました。

最大の争点となったのが、借地上の建物の「共有持分」を取得した第三者にも建物買取請求権が認められるのかという点です。

建物買取請求権とは?

建物買取請求権とは、借地上の建物を取得した第三者が、地主から借地権の譲渡について承諾を得られない場合などに、一定の要件のもとで地主に建物を買い取るよう請求できる制度です。

この制度は、借地権の譲渡を地主が拒否することによって、建物を取得した人が不利益を受けることを防ぐという側面があります。

もっとも、建物買取請求権を認めると、地主は自ら望んでいない建物を買い取る義務を負うことになります。

そのため、どのような場合でも建物買取請求権が認められるわけではありません。

最高裁は「共有持分」について建物買取請求権を否定

最高裁第2小法廷は、今回のケースについて、建物の共有持分を取得した第三者には建物買取請求権が成立しないと判断しました。

その理由として、共有持分について買取請求を認めてしまうと、地主はその持分に相当する金銭を負担することになる一方、建物には他の共有者が存在するため、地主が建物を自由に利用・処分することができないという問題を指摘しました。

つまり、地主にとって大きな負担となるにもかかわらず、買取りによって取得した建物を自由に処分できるとは限らないため、制度として合理性に乏しいと判断したものです。

また、共有者の間で共有持分を買い取ってもらうなど、別の解決手段も存在することから、地主に買取りを強制する必要性も低いとしました。

今回の最高裁判決が不動産取引に与える影響

今回の判決は、借地上の建物の共有持分を取得し、それを利用して地主に買取りを求める取引について、重要な判断を示したものといえます。

特に近年では、通常の不動産よりも権利関係が複雑な物件や、共有持分などを比較的安価に取得し、その後の交渉によって利益を得ようとする不動産取引も見られます。

しかし、「共有持分を購入すれば、地主に建物を買い取ってもらえる」という考え方は、今回の最高裁判決によって否定されたと考える必要があります。

もっとも、建物買取請求権が問題となるケースでは、建物の所有関係、借地権の内容、譲渡の経緯、地主の承諾の有無などによって結論が変わる可能性があります。

借地権の譲渡や共有持分の売却は弁護士への相談を

借地上の建物を売却したい場合や、第三者から建物の共有持分を購入した場合には、単に建物の所有権だけを確認すればよいわけではありません。

**「借地権の譲渡について地主の承諾が必要なのか」「建物買取請求権を行使できるのか」「共有持分の売却によってどのような法律問題が生じるのか」**などを事前に確認することが重要です。

地主側にとっても、借地権の無断譲渡や共有持分の取得を理由として買取りを求められた場合には、請求の法的根拠を慎重に検討する必要があります。

借地権、建物買取請求権、共有不動産などの問題は、契約関係や所有関係によって結論が大きく異なります。具体的な事案については、不動産問題に詳しい弁護士に早めに相談することをおすすめします。

当事務所は、不動産に強い法律事務所ですので、お気軽にご相談下さい。

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