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|労働問題
アルバイトの求人を見ると、「高校生時給」として大学生や一般のアルバイトよりも低い時給が設定されていることがあります。同じ仕事をしているのに、高校生という理由だけで時給が低いのは違法ではないのかと疑問に思う方も多いでしょう。
結論からいえば、高校生だけ時給が低く設定されていること自体は、原則として違法ではありません。ただし、最低賃金を下回る賃金を支払うことは法律で禁止されています。
労働基準法には、「高校生だから一般のアルバイトと同じ時給を支払わなければならない」という規定はありません。
また、賃金については、労働基準法第15条で労働条件を明示する義務が定められていますが、具体的な賃金額は、労使の合意によって自由に決めることができます(契約自由の原則)。
そのため、最低賃金を上回っている限り、「高校生時給」「大学生時給」といった区分を設けること自体は違法ではありません。
さらに、「同一労働同一賃金」は、短時間・有期雇用労働法第8条及び第9条によって定められており、正社員とパート・アルバイトとの間の不合理な待遇差を是正することを目的としています。そのため、同じアルバイト同士で高校生と大学生の時給に差を設けることまで直ちに禁止するものではありません。
高校生の時給が低く設定される理由は法律で定められているわけではなく、各企業の経営判断によります。
もっとも、一般的には次のような事情があります。
第一に、18歳未満の高校生は、労働基準法第61条第1項により、原則として午後10時から午前5時までの深夜労働が禁止されています。そのため、大学生やフリーターに比べると勤務できる時間帯が限られ、シフトを組みにくいという事情があります。
第二に、高校生は社会経験が少ないことが多く、仕事を覚えるまでに教育や指導の時間が必要となる場合があります。このような事情を考慮して、企業が賃金を設定しているケースもあります。
もちろん、高校生であっても能力や経験を評価し、大学生と同じ時給としている企業も少なくありません。
高校生であっても、最低賃金法第4条第1項により、使用者は最低賃金額以上の賃金を支払わなければなりません。
また、同条第2項では、最低賃金額に満たない賃金を定めた契約は、その部分について無効となり、最低賃金額と同額の契約をしたものとみなされます。
つまり、「高校生だから最低賃金より低い時給でも構わない」ということはありません。最低賃金を1円でも下回れば違法となり、不足分を請求することができます。
最低賃金には、すべての労働者に適用される地域別最低賃金のほか、特定の産業について定められる「特定最低賃金(産業別最低賃金)」があります。
18歳未満の高校生は原則として特定最低賃金の適用除外となりますが、18歳以上になると適用対象となる場合があります。
そのため、高校3年生など18歳以上で働く方は、自分の勤務先が特定最低賃金の対象業種かどうか確認することが大切です。
勤務先の時給が最低賃金を下回っている場合は、まず会社へ確認し、不足分の支払いを求めましょう。
改善されない場合には、所轄の労働基準監督署へ申告することができます。
労働基準監督署は調査を行い、違法状態が認められれば事業者に是正勧告などの行政指導を行います。
なお、最低賃金法第40条では、最低賃金法違反に対する罰則も定められており、最低賃金を支払わなかった使用者には50万円以下の罰金が科される可能性があります。
相談の際には、給与明細、雇用契約書、タイムカード、シフト表などを準備しておくとスムーズです。また、労働基準監督署には守秘義務があるため、相談者の情報が会社へ漏れることは基本的にありません。
高校生だけ時給が低く設定されていても、最低賃金以上であれば、それだけで違法になるわけではありません。企業は能力や経験、勤務可能時間などを考慮して賃金を決定することが認められています。
もっとも、最低賃金法第4条に違反して最低賃金を下回る時給を支払うことは認められません。また、18歳以上の高校生については、地域別最低賃金だけでなく特定最低賃金が適用される場合もあります。
もし最低賃金を下回る給与で働いている疑いがある場合は、給与明細などの資料を保管した上で、勤務先への確認や労働基準監督署への相談を検討するとよいでしょう。
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