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「子育てに支障」転勤拒否訴訟|大阪地裁棄却判決

企業法務労働問題解雇顧問弁護士

子育てを支援する労働法などの法整備が進むなか、子育ての権利は何処まで守られるのでしょうか?

ひとり親に転勤の辞令があった従業員が、育児に支障が出ることを理由に転勤を拒み、会社はそれを理由に従業員を懲戒解雇した事案で、従業員は不当解雇による解雇無効を主張し、会社を訴えた事案いついて大阪地裁で、最近、判決がなされました。

大阪地裁は、「通常甘受すべき程度を著しく超える不利益があるとはいえない」などと指摘し、転勤命令は「人事権の乱用」で無効だとする従業員側に敗訴判決がなされました。。

提訴した男性は、持病の多い長男(13)と白内障などを罹患した母(77)の3人家族で、長男は当時小学校でもたびたび頭痛や嘔吐の症状が出ている状況で、転勤により長男や母の面倒を万全に見ることができない主張でした。

会社側からは、転勤命令は、グループの経営効率化に向けた拠点の統廃合に伴うもので、業務上の必要性があったと反論した。長男の病状が引っ越しによって悪化するかは明確でなく、成長とともに改善に向かう可能性も主張していました。

会社側の論拠となったのは1986年に類似の事案で最高裁が示した「家庭生活上の支障は通常甘受すべき程度のもの」の判決で、今回の大阪地裁の判決はこれを踏襲したものと言えます。

しかし、既に同最高裁判決から30年以上が経過し、理由や結論について過去の最高裁判例を踏襲するような大阪地裁の判決には疑問が残り、今後、従業員側が控訴をした場合に、この理由付けでは大阪高裁で逆転する可能性も考えられなくはありません。

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