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老人ホーム入居一時金の返還トラブル

消費者被害

高齢の親がケガや認知症で施設に入居する際、数百万円から数千万円に及ぶ「入居一時金」が必要になる場合があります。

親の資金が不足し、子が立て替えるケースも少なくありません。このとき気になるのが税金や返還トラブルです。

まず(1)税務面ですが、一定の条件を満たせば贈与税は課税されません。具体的には、①子などの扶養義務者が、②親の生活費として必要な範囲で、③過度に高額でない金額を負担した場合は「非課税財産」とされます。

ただし「過度に高額」の明確な基準はなく、社会通念で判断されます。過去の裁決では約945万円が認められた例もありますが、数千万円規模になると否認される可能性があるため注意が必要です。また、生活費名目でも実際に別用途に使えば課税対象となります。

次に返還トラブル対策として重要なのが「90日ルール(短期解約特例)」です。

有料老人ホームでは、入居後90日以内に解約した場合、無条件で契約解除が可能で、一時金から実際の利用日数分や原状回復費などを差し引いた残額が返還されます。この制度により、短期退去時の大きな損失は一定程度防げますが、90日を1日でも過ぎると条件が変わるため、判断は早めに行う必要があります。

費用の返還は一時金だけでなく、月額利用料にも関係します。退去が月途中の場合、家賃や食費は日割り返金されることが多い一方、厨房維持費などの固定費は日割りされないケースもあり、想定より返金が少ないことがあります。

さらに重要なのが「償却期間」と「初期償却」です。

有料老人ホームの一時金は前払い家賃の性質を持ち、最初に一定割合(初期償却)が差し引かれ、これは原則返還されません。残額は数年単位の償却期間で分割され、途中退去時には未償却分のみが返還されます。

一方、グループホームやサービス付き高齢者向け住宅では、敷金的な扱いとなり、原状回復費を除いて返還されるのが一般的です。

結論として、子が一時金を立て替えること自体は直ちに課税対象にはなりませんが、金額の妥当性には注意が必要です。

また、返還条件は施設ごとに大きく異なるため、契約書や重要事項説明書を事前に十分確認し、不明点は契約前に必ず解消しておくことがトラブル防止の鍵となります。

このような老人ホームなどの入居一時金でお困りの方は、お気軽に当弁護士事務所へお気軽にお問合せ下さい。

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