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成人年齢の引き下げと養育費

離婚養育費

民法改正により、2022年4月から、未成年が成年になる年齢が、「20歳」から「18歳」に変更されます。

これにより、具体的にどのような影響があるかで懸念される事案が、離婚の際の養育費の支払期間です。養育費は、現在の実務では、20歳を基準に支払われれることが最も多いです。調停条項(和解条項)としては、「子〇〇が20歳に達する日の属する月まで毎月〇万円を支払う。」という表現が用いられます。

例えば、2015年に家庭裁判所で離婚調停が成立した養育費条項について、2022年4月以降に成人年齢の引き下げ(20歳から18歳)を理由に養育費減額調停を申し立てした場合について考えてみます。

養育費は一度決めても、その後に養育費減額調停を申し立てすることは可能です。但し、養育費減額が認められるのは収入低下など養育費を合意(又は決定)した際の基礎事情に変更がある場合に、養育費減額が認められます。

この点、法務省は10月、「成年年齢の引下げに伴う養育費の取決めへの影響について」において、概要、民法改正により、養育費減額調停などで養育費の支払期限を20歳と決めたものを18歳に変更することにはならないという見解を示しています。

家庭裁判所(司法)は、法務省(行政)の見解を尊重する場合は、実務的に養育費の支払期限を20歳から18歳に引き下げすることにならないことになります。

また、養育費減額が認められるのは、養育費支払いの合意(又は決定)した際の基礎事情に変更があった場合に、養育費を減額することであり、養育費の支払期間を変更するものではないため、成人年齢の引き下げ(20歳から18歳)は、養育費減額の事情になったとしても、養育費の支払期間を変更することは難しいと考えられます。

但し、養育費の支払期間に変更はなくても、例えば子が既に定職に就き相当程度の収入を得ているなどの事情があれば、実質的に養育費の支給額が18歳の時点以降大きく減額調整され、実質的に18歳から20歳までの養育費の支給額が減額される結果、養育費の支給期間が20歳から18歳までに変更されたのと類似の状況が発生する可能性はあります。

しかし、これは民法改正(成人年齢の引き下げ)の影響によるものではなく、子の収入状況の変化を理由とするものです。

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