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排水弁閉め忘れ|公務員個人は責任を負うのか

損害賠償

地方自治体の例では、過去に県庁の職員が県庁の貯水槽の排水弁を約1か月閉め忘れたことで水道代約600万円の損害が生じた事案があります。

また、ある市では災害時用の備蓄食料の購入で、納品を確認せずに代金を業者に支払った後に、業者が経営破綻し、半数程度の食料が未納になり、市は17年8月が余分にかかったとして多額の損害が生じた事案があります。

民間では会社内で処理される場合、全額の損害賠償をさせるなどが未だに散見されますが、企業は従業員を利用し利益を得ているため、従業員が発生させた損害について、企業が従業員に賠償を求めることが出来る金額は、一定限度に制限されます。

この点、地方自治法では、役所の物品の損傷などで「故意」か「重過失」が認められる場合、職員に損害賠償を請求できると規定している。「重過失」に当たるかどうかの判断は、自治体の裁量に委ねられています。

先ほどの県に余分な水道代600万円が発生した事案では職員は市に300万円を請求、市の食品未納の事案では市は当時の市長、副市長のほか、職員4人に計約750万円を請求しました。

しかし、実際に請求を受けた公務員は、請求を受けた金額ではなく、被害全額を賠償する傾向が増えています。

これは行政に関する情報公開制度が制定され市民が広く行政の動きを監視できるようになったことから、行政が市民の目を意識して行動しているためと考えられます。

増える住民訴訟の統計からは、民間の従業員より公務員の方が個人責任を負う損害賠償の額が高いと思われる統計結果が出ています。

このように民間でも公務員でも、業務上で損害を与えた場合には雇用主に損害賠償義務を負うのは同じです。

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