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侮辱罪厳罰化|ネット誹謗中傷対策

法令改正誹謗中傷

ネットで人をバッシングする傾向に歯止めをかけようと、侮辱罪(刑法第231条)が厳罰化されます。

侮辱罪とは、不特定多数の者が認識できる状態で、人に対し「バカ」、「アホ」、「死ね」など、非難する具体体事情を書かないで、誹謗中傷することです。

ちなみに、Aさんは「過去に不倫をしていて、今回で2度目なのだからアホなんだ。」との記載は、下線の部分が事実の適示と評価され、名誉棄損罪(刑法第230条1項)に該当し、法定刑は「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」となります。

ネットでのバッシングの際に、誹謗中傷する事情(事実の適示)の記載があるかないかで侮辱罪と名誉棄損罪の法定刑が区別されていたのは、バッシングする具体的事実の記載がないと、単なる悪口だけで、その人の社会的地位や名誉を低下させる度合いが小さいと考えたためです。

しかし、ネットで「死ね」、「アボ」など、具体的事情を記載しない書き込みで、自殺者が出る事案が増えており、侮辱罪の厳罰化が検討されていましたが、これが6月に正式に決定しました。

侮辱罪の法定刑はこれまで「拘留又は科料」でした。拘留とは、1日以上30日未満の刑事施設への拘置、科料とは1000円以上1万円未満の支払いでした。

侮辱罪で刑事立件されても、法定刑が余りに低いため、侮辱罪の事案では関与者が受ける刑事罰が余りに小さいと言えます。

そこで、侮辱罪は「1年以下の懲役もしくは禁錮、30万円以下の罰金、または拘留もしくは科料」と処罰の上限が変更されました。

1年以下の懲役と禁固が加算されるため、法定刑は非常に重くなり、侮辱罪の実態に沿った処罰が可能となり、これまで起訴猶予とせざるを得なかった事案が公判請求されるなど、事案の実態に沿った処罰が可能となります。

なお、今後、「懲役」と「禁錮」が廃止され「拘禁刑」に一本化され、公布から3年後に施行される予定とのことです。

ネットやSNSでの誹謗中傷、名誉棄損について、表現の事由との兼ね合いは必要ですが、明らかに度を越えた集団的加害行為が見受けられ、「死ね」、「クズ」、「ゴミ」などの書込みは、刑事処分されにくい傾向がありましたが、今後は、名誉棄損と同様の処分がなされます。

ネットやSNSでの誹謗中傷、名誉棄損でお悩みの方、お困りの方は、当事務所へお気軽にご相談下さい。

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