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3月1日施行|改正会社法の内容は?

企業法務顧問弁護士

2021年3月1日に社外取締役の設置の義務化、取締役の報酬決定の透明化などを規定した改正会社法の一部が施行されました。

改正内容の概要は次のようなものです。

(株主提案権の制限)

株主提案権とは、議決権の1%または300個(公開会社では6ヶ月間)を保有する株主が取締役に対し、株主総会での議題を提案したり、また株主総会の議題について議案要領を株主に通知することを請求することができます(303条1項、305条1項)。なお、取締役会非設置会社では株式保有要件はありません。

このうち議案の要領通知請求権については、改正法では提案できる議案数の上限が10議案に制限されます。

なお、株主への株主総会資料の電子提供については別途、施行日が決定されます。

(取締役報酬の制限)

大会社で金融商品取引法に基づいて有価証券報告書を提出している上場会社、または監査等委員会設置会社では、取締役の個人別の報酬が定款または株主総会で決定されていない場合、取締役会や法務省令に基づき個人別報酬の決定方針を定めなければなりません。

報酬として付与される株式や新株予約権についてはその上限が株主総会での決議事項となります。

(会社補償等に関する規定の整備)

役員等が会社や株主から責任追及の訴えを提訴された場合に、その対応に必要な費用等を会社が負担する規定が新設されました。これは全てを会社が負担するのではなく、相当な範囲に限定されることとなり、また株主総会や取締役会決議を要します。

また役員がそのような事態に備えて締結する保険契約に関する規定も新設されます。

(社外取締役の義務化)

公開大会社で金融商品取引法により有価証券報告書を提出する上場会社については社外取締役の設置が義務付けされることとなります。

(株式交付制度の創設)

ある会社が他の会社を購入するM&Aの手法としては、会社の株式を購入する方法が多くとられます。この株式購入の対価を、購入しようとする会社の株式を交付する株式交付という制度が新設されました。

これまでは自社の株式を対価として子会社株主に交付したいという場合には新株発行の現物出資という形をとる必要があり、検査役の選任など様々なコストや手間がかかコストがかかっていたたため、M&Aの一手法として株式交付という制度が新設されました。なお、株式交付には相手方会社の50%以上の株式を取得する必要があります。それ以外の場合には株式交換という手続きが必要となります。

会社法は、適宜、法改正がなされていますので、見落としがちになります。

会社法、M&A,事業承継などでお困りの場合は当事務所へお気軽にご相談下さい。

 

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