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令和3年4月施行改正個人情報保護法|その内容は?

企業法務個人情報保護顧問弁護士

働き方改革やコロナ禍により、情報のデジタル化が促進され、個人情報もデーター化や一元化、連動化などが促進されています。

それに伴い、個人情報の侵害が増えること、悪用されることが想定されるため、個人情報保護法は令和2年6月に改正され、来年4月1日から改正個人情報保護法が施行されます。

個人情報保護法のどのような部分が改正されたのかを主要部分を簡単にまとめると、次のとおりです。

(1)個人の権利の拡大について

【利用停止・消去等の請求権の拡大】
これまでは、一部の法令違反の場合に限定されていましたが、①利用する必要がなくなった場合、②重大な漏えい等が発生した場合、③本人の権利又は正当な利益が害されるおそれがある場合が追加されました。

【保有個人データの開示方法】
開示方法の指定はこれまで請求者側(個人)にはありませんんでしたが、改正により電磁的記録の提供を含め、本人が指示できるようなります。

【第三者提供記録の開示】
個人データの授受に関する第三者提供記録について、これまで本人は開示請求できませんでしたが、改正により個人が開示請求できるようになります。

【短期保存データの開示等対象化】
6ヶ月以内に消去するデータ(短期保存データ)も、保有個人データに含めることとし、開示・利用停止等の対象とする

【オプトアウト規定の強化】
要配慮個人情報に加えて、①不正取得された個人データ、②オプトアウト規定により提供された個人データについても、オプトアウトの対象外とされます。

(2)事業者の責任の拡大

【漏えい等報告・本人通知の義務化】
個人情報の漏えい等が発生し、個人の権利利益を害するおそれがある場合(一定の要件を満たす案件に限られます。)に、これまで特段の報告義務は設けられていませんでしたが、個人情報委員会への報告及び本人への通知が義務化されました。

【不適正な方法による利用の禁止】
違法又は不当な行為を助長する等の不適正な方法により個人情報を利用してはならない旨を明確に条文化しました。

(3)データの活用方法について

【仮名加工情報の創設】
氏名等を削除した「仮名加工情報」というものを新たに設け、そのような仮名加工情報を内部分析に限定する等を条件に、開示・利用停止請求への対応等の義務を緩和する条項が追加されました

【公益目的に係る例外規定の運用の明確化】
利用目的や第三者提供の制限の例外とされる公益目的について、これまで抽象的だった公益目的の内容が運用上、明確化されます。

【提供先において個人データとなる情報の取扱い】
提供元では個人データに該当しないものの、提供先において個人データとなることが想定される情報の第三者提供について、これまで本人の同意が得られているか等を確認することの義務はありませんでしたが、これらが義務化されます。

その他にも、個人情報保護法違反に対する罰則が厳罰化されることなど改正点はありますが、少なくとも個人情報を扱う事業者については、改正内容は十分に把握しておいて頂きたいところです。

また、個人情報は技術の進化とともにシステムから漏洩されたり、犯罪に悪用されたりするため、個人や消費者の立場においても、この法律があることや権利保護が増したことなどは覚えておいて頂くと良いかと思います。

個人情報の流失などのトラブルでお悩みの方はお気軽に当弁護士事務所へご相談下さい。

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