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飲食店の無断キャンセル

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時節柄、忘年会などで飲食店やホテルなどの利用が増えていますが、飲食店での無断キャンセルが深刻な問題となっています。

飲食店などの無断キャンセルが増えている背景事情としては、ネット予約の普及により店と直接のコミュニケーションをとらないことや、無断キャンセルに対する罪悪感が希薄化しているなどの事情が挙げられていますが、このような傾向が続くと、飲食店の被害が過大になり、旅行の無断キャンセルの場合と同様に、飲食店の無断キャンセルに対し、違約金請求の裁判などの事態へ発展することが想定されます。

例えば、旅行の予約の場合は、旅行業会の約款により、予約の取り消しについては、通常、旅行日の〇〇日前は〇〇%、〇〇日前は〇〇%、当日キャンセルは○○%の違約金(キャンセル料)などの取決めがなされています。旅行の場合は、予約の申し込みの際に、旅行代金を前納することが多いため、キャンセルをする側でも、この約款(取り決め)を意識し、無断キャンセルをすることは多いことではありません。仮に無断キャンセルをしても、旅行会社の方でも前納されたお金を返還する必要がないため、旅行会社に経済的損失は生じません。

これに対し、飲食店などでは、予約日の〇〇日前のキャンセルの場合は〇〇%、当日キャンセルの場合は〇〇%などのような規約を用意している店舗が少なく、また、予約時に代金の前払いという制度ではないため、無断キャンセルの場合は、飲食店側に多大な損害が生じてしまいます。

但し、飲食店は損害を客に請求できない訳ではなく、法的には損害を客に請求することは可能で、現実には飲食店は客に対する違約金請求などの損害の請求について権利行使を控えているに過ぎません。店に予約を入れた時点で飲食契約(少なくとも飲食に関する予約契約)は成立しており、飲食契約について客側の不履行(無断キャンセルなど)により、飲食店に生じた損害について、客側はこの損害を賠償する責任が生じます。

飲食店のネット予約の手続きは便利ですが、無断キャンセルの多い現状の状態が続くと、飲食代金の事前支払い制度や、無断キャンセルについての代金請求が、将来的になされる可能性が高いと思います。

また、大人数での予約の無断キャンセルなどは、将来ではなく、現時点でも、飲食店側の経済的損害が大きければ、客側に損害賠償請求がなされる可能性があります。

飲食店の予約は、契約の問題であり、無断キャンセルは契約の不履行であることに十分気をつけて、飲食店に迷惑のかからない利用をされることをお勧めします。

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