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岡口判事の「判決URL紹介」ツイート|高裁で一転「違法」

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東京高裁は1月17日、女子高生殺害事件の現職裁判官(職務停止中)の判決文URLを紹介する投稿について、一審の判決を異なり不法行為と認定した。

一審判決は、現職裁判官の「首を絞められて苦しむ女性の姿に性的興奮を覚える性癖を持った男 そんな男に、無惨にも殺されてしまった17歳の女性」と投稿した点について、「遺族の心情を深く傷つけるなどとして、現職裁判官に課せられた義務に違反する不適切な行為」だと指摘した。

しかし、一審判決は、裁判官として不適切と評価しつつも、投稿について、裁判例の紹介も表現の自由の保障を受けること、被害者の名前が広く実名で報道されていること、投稿内容の文章の一部は、判決文でもほぼ同一の表現が用いられていたことから、違法性までは認められないと判示した。

これに対し、高等裁判所は、投稿について違法と認定した。

判決理由は、亡くなった娘の尊厳がこれ以上傷つけられないよう願う遺族の心情は保護に値する人格的利益である」こと。重大事件に関する記事を紹介することが表現の自由の保障を受けることを考慮しても、投稿は社会通念上受忍すべき限度を超えて、犯罪被害者等として認められる人格的利益を侵害したとして、「不法行為を構成する。」と判断した。

これだけを見ると、投稿内容と表現の自由で、投稿内容が社会通上、受任すべきかどうかという基準のみで判断されているように見えます。

しかし、高等裁判所は、現職裁判官の従前の投稿から性的興味をひく目的で、本件投稿も同様の目的で投稿をしたこと、約4万のフォローワを持っていることなども指摘しており、投稿の目的や、投稿のもたらす影響なども加味し、判断をしている。

仮に個人の投稿ではなく、マスコミによる投稿である場合に投稿の拡散力や影響力が異なる点から、高等裁判所の判断は、地方裁判所の判断より、緻密に判断を加えた妥当な判決と考える。

但し、表現の自由は最大限、保護に値するものである以上、過大に表現の自由が侵害されないよう、裁判所も、弁護士も注意を払う必要がある。

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