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「あおり運転」は法的に問題はないのか?

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東名高速であおり運転により死傷事故が発生したことがきっかけとなり、あおり運転に対し社会的な注目が多くなっています。そこで、あおり運転について法的にはどのような問題が発生するかを考えてみます。

自動車の道路上での走行方法は、道路交通法という法律により走行方法や走行する上での守らなければいけない義務が定められています。                                                         「あおり運転」という言葉は、法律上のものではないため、あおる運転の内容が具体的にどのような内容かにより個別に道路交通法違反があるかを検討することになります。

例えば、あおり運転が前方車両に対し著しく接近をするような場合は、道路交通法第26条により、後続車両は、前方車両がある場合、前方車両が急停止しても追突しない程度の距離を確保して走行しなければならないと定めているため、道路交通法26条に違反する行為となります。

ハイビームや、パッシング(ライトをつけたり、けしたりする行為)は、道路交通法第52条1項で必用な場合に投火(いわゆる「ライト」)をする義務、道路交通法第52条2項で不要な時にはライトを消す義務を定めているため、これらの行為は、同法第52条1項、同法第52条2項に違反する行為となります。

車線を不要に変更する行為は、道路交通法第26条2が車両はみだりに車線を変更してはならない義務を定めているため、この行為は同法第26条2に違反する行為となります。

あおり運転は様々な方法があるため、道路交通法に具体的に違反していない場合も、危険な運転行為は、道路交通法第70条が他人に危害を及ぼさない方法と速度で進行する義務を定めているため、危険な運転行為は道路交通法第70条違反となります。

あおり運転の方法が余りに危険の態様の場合は、「人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為」(自動車運転死傷行為処罰法2条4号)に反することになります。

これらの行為に違反し、あおり運転により、被害者に怪我や死亡を発生させた場合は、刑事処罰を受けます。危険な方法による場合には、危険運転致死傷罪で処罰され(負傷の場合は懲役15年以下、死亡の場合は1年以上20年以下の懲役)で処罰される可能性があります。

また、あおり運転で被害者に怪我や死亡を発生させた場合は、刑事処分の他に行政処分(免許取り消しなど)や、被害者の遺族から加害者に対する民事上の損害賠償請求が行われます。

このように「あおり運転」は、非常に法律に違反する危険な行為のため、車を運転する場合は一時の感情に流されることなく、冷静に運転をすることを心掛けることが大切です。

交通事故で被害者となった場合で、その他の問題の場合は、交通事故HPをご覧に参考にして下さい。

タクシー、運送業務などの会社は、従業員があおり運転をした場合、使用者責任(民法第715条)に基づき被害者や被害者の遺族に民事上の損賠賠償責任を負う可能性や、行政処分を受ける可能性があるため、運行規定などを会社で定めるなどの対応が必要となります。

このような件で、お悩みなら、当事務所にお気軽にご相談下さい。

 

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