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刑の一部執行猶予について

刑事事件

札幌の弁護士【みずほ綜合法律事務所】の【刑事事件講座】です。

刑事裁判について、平成28年6月1日から刑の一部執行猶予制度が新たに実施されます。

今回は、この刑の一部執行猶予の制度についてご説明したいと思います。

刑事裁判では、懲役、禁固または拘留の刑を言い渡す判決(これらを「実刑判決」と呼びます。)のほかに、これらの刑に対して「執行猶予」を付けることができます。

執行猶予というのは、刑務所に行かずに決められた期間(例えば3年)犯罪を再び行うことなく社会生活を送ることができればある事件について実刑判決となるのか執行猶予判決となるのかというのは、刑事弁護をする弁護士としては、依頼人から常に聞かれる問題であり、また予想が困難であることが少なからずある問題です。

今回の改正では、上記の実刑判決と執行猶予判決の間の制度として刑の一部執行猶予という制度が設けられました。

ではどういう制度かというと、これまでであれば実刑判決として刑務所に行くことになっていた事案で、再犯防止を目的として、その実刑期間のうちの一部について、刑務所から少し早い段階で出所して、専門家がサポートにつくなどして、社会生活を通じて更生をしていきましょうという制度です。

具体的な例を挙げると、例えば従来なら「懲役2年」という刑になっていたであろう事案について、「懲役2年、うち懲役6月は3年間の保護観察付き執行猶予」という判決が下されます。この判決に従って、被告人は、1年半刑務所に行った後に出所して、社会で生活し、3年間再び犯罪などをせず無事に過ごした場合には、6か月分の刑務所暮らしはしなくても良いということになります。

少し複雑ですが、以上が今回の刑の一部執行猶予の制度の概要です。

これから始まる制度ですので、どういった運用がなされるのかなど分かりませんが、犯罪者の更生のために何が良いのという点について色々な試行錯誤が繰り返されている中で、今回のこの制度がどのような影響を与えるのか、注目してみたいと思います。

刑事事件のその他は、刑事事件のHPをご覧ください。

 

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