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精神障害の労災認定基準に「カスハラ」追加 

労働問題労働災害

1 精神障害の新基準(カスタマーハラスメント)

精神障害を労災認定する時の心理的負荷の基準に、9月から新たにカスタマーハラスメント(カスハラ)が基準として採用されました。

カスタマーハラスメント(カスハラ)とは、客からの暴言や暴行、不当要求などで、就労している人の就業環境を害することです。

カスタマーハラスメントという新しい心理的負荷の基準が増えることで、これまでよりも、労働者の労災認定が広がることが予想されます。

労災での新評価表には、「対人関係」の具体的な出来事の1つとして、「顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた」が追加されました。これがカスハラに該当する部分です。

従来は、平均的な心理的負荷の強度を「Ⅱ」とし、具体例として「顧客等から人格や人間性を否定するような言動を反復・継続するなどして執拗に受けた」、「顧客から治療を要する程度の暴行等を受けた」場合などを「強」とした。人格や人間性を否定するような言動を受けたが行為が反復・継続していないケースなどは「中」になった。

裁判では、心理的負荷は、総合的に判断されますが、労災認定の際は、心理的負荷評価表の項目に該当しなければならず、そのため、全ての評価に厳密には該当しなければならない訳ではないが、実務上はかなり拘束されていました。

その意味では、カスハラを真正面から捉える新基準ができ、労災が認められやすくなったことは大きく評価できます。

新基準は、義務付けられていますが、企業にはカスハラへの対策は「望ましい取り組みだからできればやってほしい」という努力義務にとどまり

ます。

2 会社の責任

今回、労災基準が出たことで、企業にもカスハラ対策が求められることになりそうです。労働施策総合推進法ではパワハラは、企業が対策を講じることを法的に義務付けられていますが、カスハラへの対策は「望ましい取り組みだからできればやってほしい」という努力義務に留まります。

3 カスハラ被害の証拠の残し方

顧客からの暴言などは、録音テープ、日記、あるいは、交友関係のある人へのメールなどで          
日記に書く、友達に話すなどから、友人、自分宛、家族あてにメールするとよいでしょう。
また、体調不良に発展した時は、会社や病院に正直にカスハラで体調不良になったと伝えることが
重要です。

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