トップページ > ブログ > 時速194km/hの暴走は「過失運転致死罪」か「危険運転致死罪」か
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|刑事事件
令和3年2月9日に一般道で、「何キロまでスピードが出るのか試してみたい」と考えて、時速194kmで交差点に直進し、対向車線から右折しようと交差点に進入してきた乗用車に衝突し、被害者が死亡する事故が起きました。
このような著しい速度超過事案は、「過失運転致死罪」(懲役7年以下)として起訴。 「過失運転致死罪」(懲役20年以下)のいずれに該当するのでしょうか。
一般的な市民感覚からすると、法定速度を大きく超えており、危険運転致死罪になるのではという意見が多そうです。しかし、検察庁は「過失運転致死罪」として起訴をしました。
①「危険運転致死傷罪」の類型は次の6パターンがあり、本件では次に該当するものと考えられます。
その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
②「過失運転致死罪」は次の3パターンがあり、本件では次に該当するものと考えられます。
その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
(結論) 検察庁は本件事故を「過失運転致死罪」として起訴し、「危険運転致死罪」として起訴しませんでした。
その理由は、危険運転致死傷罪における「進行を制御することが困難な高速度」とは、道路の状況・形状に沿ってハンドルなどを操作することが困難な速度かどうかが重要な点で、本件事故で被疑者は長い直線道路を時速194㎞で走行していたもので、道路の状況・形状からは車の制御が困難に該当しないとの考え方によるものです。
(補足) 「危険運転致死傷罪」と「過失運転致死罪」は余りに構成要件が似ているため、どちらに該当するかについて、刑期を考慮し、より短期の可罰となるよう起訴をする手法は実務ではとられています。
両者について法令の改正などでその区別をよりはっきりと行うことが必要と考えられます。
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