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性別変更の手術要件|最高裁憲法違反

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性同一性障害特例法の規定では、戸籍上の性別を変更するには、生殖能力をなくす手術を受ける必要があります。

これについて、最高裁判所大法廷は「意思に反して体を傷つけられない自由を制約しており、手術を受けるか、戸籍上の性別変更を断念するかという過酷な二者択一を迫っている」として憲法に違反して無効だと判断しました。

最高裁は、こうした制約の必要があるかについて、①子どもが生まれ、親子関係の問題が生じるのは極めてまれで解決も可能なこと、②特例法の施行から19年がたちこれまで1万人以上の性別変更が認められたこと、③性同一性障害への理解が広がり環境整備が行われていること、④海外でも生殖機能がないことを性別変更の要件にしない国が増えていることなどを挙げて、社会の変化により制約の必要性は低減していると指摘しました

他方で、手術無しで性別の変更を認めるよう求めた当事者の申し立てについては、変更後の性別に似た性器の外観を備えているという別の要件について審理を尽くしていないとして、高等裁判所で審理をやり直すよう命じました。

2019年に最高裁判所は同一の要件について「憲法に違反しない」とする決定をしています。

最高裁は、2019年から2023年の間に、社会の認識が変更したことを理由としていますが、2019年の段階で既に社会的には受け入れの素地があり、合憲判決などでマスコミなどで話題となる機会が増えたり、当事者や支援者の人が声を挙げたりした結果、見えやすい形となった結果ではないかと考えられます。

最高裁が必ずしも、民意を汲み、適切な判決を下す機能を十分に発揮しているとは考えられませんが、このように民意を反映する判決が出ることで少しでも合理的なルール作りを加速させる機能を発揮していくことに期待したいです。

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