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保佐人警備員禁止規定は違憲|最高裁大法廷

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家庭裁判所から保佐開始の審判を受けた「被保佐人」は警備員になれないと定めていた旧警備業法の規定について、最高裁大法廷は令和6年2月18日、憲法に違反すると判断しました。これは、成年後見制度の利用者に対する一律の資格制限を違憲とした初めての大法廷判決として注目されています。

問題となった規定は、被保佐人であるという法的地位のみを理由に、個別の能力審査を行うことなく警備員になることを全面的に禁止していました。

警備業は他人の生命・身体・財産を守る職業であり、一定の適性が求められるのは当然です。しかし、被保佐人といっても判断能力の程度はさまざまで、実際には職務を十分遂行できる人もいます。

最高裁は、このような個人差を無視して一律に排除することは、必要以上に広い制限であり、憲法22条の職業選択の自由および14条の法の下の平等に反するとしました。適性を確認したいのであれば、個別審査というより穏やかな手段がある以上、全面禁止は過度であると判断されたのです。

もっとも、原告が求めた国家賠償請求は認められませんでした。最高裁は、当時の立法状況からみて国会が明白に違憲と認識すべきであったとまではいえないとして、立法不作為の違法性を否定しました。違憲判断と国家賠償の可否は別問題であり、後者のハードルは依然として高いことが示されたといえます。

この判決の射程は警備業にとどまりません。例えば、被保佐人や被後見人であることのみを理由に一律に就業を禁じる制度が残っている場合、同様に違憲と判断される可能性があります。具体的には、一定の資格職(例:運送業の運転者、金融業の外務員、警備・保安関連職、国家資格を要する専門職など)について、個別能力を見ずに法的地位のみで排除する制度があれば、憲法上問題となり得るでしょう。今後は「属性による一律排除」ではなく、「個別具体的な適性審査」へと制度設計を転換することが強く求められるといえます。

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