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不倫相手への離婚慰謝料却下| 最高裁

離婚

配偶者の不貞行為(不倫)が原因で離婚した場合に、不貞行為の相手方に対して離婚慰謝料(離婚によって生じた精神的苦痛に対する慰謝料)を請求できるか?

この点は、従来の裁判実務では、配偶者が不倫をした場合にはもう一方の配偶者は不貞行為慰謝料(不倫によって受けた精神的苦痛に対する慰謝料)を、配偶者の不倫が原因で離婚になった場合には離婚慰謝料が請求できるという取扱いが行われていました。

今回、最高裁は、4年前に離婚した元夫が、9年前まで元妻と不倫関係にあった男性に対し、離婚によって精神的な苦痛を受けたとして、離婚慰謝料の支払いを求めた事案です。

離婚慰謝料離婚を配偶者ではなく過去の不倫相手に請求できるかが争点となり、1審と2審は元夫の訴えを認めておよそ200万円の支払いが認められました。

しかし、最高裁は「離婚は本来、夫婦間で決めることで、不倫相手が直ちに離婚させた責任を負うことはない」、「不倫にとどまらず、婚姻関係に不当に干渉して意図的に離婚させたような特段の事情がなければ、不倫相手には離婚の慰謝料を請求できない」と示し、元夫の請求を棄却しました。

従来の裁判実務では、不貞行為が法律上の離婚原因として明記されていることや、不貞行為(不倫)が原因で離婚したと事実認定しやすいことから、不倫が原因で別居した場合のような事案については、元配偶者や不貞行為の相手方に対し、離婚慰謝料を認める傾向が強くありました。

しかし、今回の最高裁の判断で、不倫により「婚姻関係に不当に干渉し意図的に離婚させたような特段の事情」がなけれえばと、明記し、元夫の請求を棄却したため、今後の離婚裁判実務では、この要件を立証できない限り、相手方に離婚慰謝料を請求できなくなりそうです。

これまでは、不倫をしたため離婚に繋がってしまった場合に認められた不倫相手に対する離婚慰謝料が、離婚を引き起こそうと悪意で離婚につながるような頻度、態様などで離婚を現実に引き起こした場合に限定されたと考えられます。

この判例は、今後の裁判実務に強い影響を与えそうです。

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