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東京医科大の医学部で、女子や浪人生などが現役高校生より、合格得点で不正な点数操作を受け、同じ点数であっても不合格となった件が明るみになりました。
女子が得点操作を受けていた理由は、将来途中で結婚退職するからなど、昭和の時代感を感じさせる理由で、男女平等や少数者の保護(平等)を理念とする近年の日本の社会的感覚との大きなずれは、否めません。
報道によると、特定適格消費者団体のNPO法人「消費者機構日本」が元受験生に代わって同大に受験料などの返還を求めた裁判で、約6800万円を支払うことなどを条件に東京地裁で和解が成立しました。
和解の金額は元受験生の受験料の返還のみです。なお、消費者適格裁判のため、裁判対象が受験料のみに限られる点は手続きの性質上、仕方ありません。
しかし、得点操作の結果、本来合格していた受験生が医師となる道を諦めたような場合には、受験料の返還だけでなく、受験に要した交通費、宿泊費、相当額の慰謝料、逸失利益など大きな責任を問われるべき社会的事案です。
大学からすると、これは統計を踏まえた合理的な区別なのかもしれません。
差別と区別という言葉の意味の違いを明確にすることはなかなか困難です。
しかし、区別という主張の場合は、区別の内容が社会に対し事前に公然と明示されるのが当たり前のところ、非公表とする取り扱いの動機は、区別の実態が差別だと当人自身が考えている場合かほとんどです。
現代の社会でも、このような不合理な区別は病巣として異なる形で数多く見受けられます。
2021年の東京オリンピックでも、理念と現実の差、区別と差別の差が次々と露呈してきており、このような問題の解消は難しいものであることを強く感じます。
司法は、このような社会的問題を解消するための一つの有効な解決手段であり、誰もが利用できる制度のため、司法の持つ役割が適切に機能することを今後も期待したいところです。
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