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「分かれさせ屋」は合法か違法か?

男女トラブル

漫画などの中で登場してくるもののなかに、交際している男女が男女関係を解消するために、探偵業などを行っている人に別れさせることを報酬を支払い依頼する話を見かけることがあります。

私は取り扱ったことがありませんが、現実には相当程度の利用があるようで、これが合法か違法かについて、最近、判決が出ました。

事案としては、男性(仮称A)が元交際相手の女性(仮称B)とよりを戻したく、その女性(B)が現在交際相手の男性(仮称C)とを別れさせるために、探偵業者にお金を払い、BとCを現実に別れさせました。探偵業者がとった方法は、男性Cに、探偵業者の手配した女性(仮称D)が、道を聞くなどの方法で接触を持ち、男性Cと女性Dが連絡先を交換しあい、男性Cが女性Dを食事に誘った。その後、男性Cが女性Bと食事をしているところへ、女性Dが訪れ、女性Bに対し、「女性Dは男性Cと何度か食事をした。」などの発言を行い、その結果、男性Cと女性Bは交際を解消するに至った。

上記の事案が裁判となったのは、男性Aが探偵業者に支払う費用は、このような別れさせ屋の契約は、公序良俗に反し無効となるため、男性Aが探偵業者にお金を支払う必要はないとし、これに対し、探偵業者が男性にお金の支払いを求め、裁判となりました。

このような探偵業者のとった別れさせ屋業務が、公序良俗(民法第90条)に反し無効となるかについて、大阪地方裁判所は公序良俗に反しないという判決を下しました。

判断理由は、別れさせる方法や手段が公序良俗に反しているとは言えないという点ですが、これを分かりやすく言い換えると、分かれさせるための手段は、会話をする、連絡先を交換するなどの方法で社会的によくある方法で、社会常識に著しく反した方法とは言えないということです。             仮にこれを社会道徳に反していると評価すると、一般の人が、自分が交際したいと考えている交際中の男女を別れさせるため、同じように会話、食事などの方法をとることは日常的に見受けられる行為のため、これを社会常識に反していると評価するのは困難な点から、大阪地方裁判所の判断は合理的かと思われます。

但し、探偵業者と一般の人の違う点は目的であり、探偵業者は営利目的であるのに対し、一般の人は交際目的であり、探偵業者のとった手段は常識を逸脱したと評価できなくても、探偵業者の営利目的は、社会的に好ましいと言えないかと思われます。

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