素早くスムーズに債権回収を行うためには、取引先や保証人の財産を特定し、仮差押をすることが必要です。しかし、資金繰りに窮した取引先や保証人の財産を特定することは簡単なことではありません。もっとも、取引先の売掛金の支払い遅滞は、必ずしもある日突然発生するというわけではなく、通常、何らかの徴候があります。日々、取引先の情報を入手し、そのような徴候を見逃さないように心がけることが重要です。また、取引先がどのような事業をしているのか、取引先が商品を販売している先の会社はどこなのか、取引先の社長の自宅はどこにあるのか等の情報は、日々気にしておくことが必要です。
A社は、取引先のB社に対して600万円の売掛債権を持っていました。しかし、B社は弁済期が経過しても支払いませんでした。B社の資金繰りが苦しく、C社長の自宅を売却しようとしているとの情報もありました。A社のB社に対する債権にはB社の社長の連帯保証がついていました。B社長の自宅の登記簿謄本を調査すると、どこにも担保にとられていないことが判明しました。そこで、B社の社長の自宅の仮差押の申立をしたところ、B社の社長から申立を取り下げて欲しいとの連絡がありました。このままでは、B社の社長は自宅を売却できないためです。その後、A社はB社と交渉し、B社から他の財産から600万円を回収することができました。
C社は食品卸業社です。飲食店を経営している取引先D社が、営業は継続しているものの、売買代金300万円の支払いを遅滞していました。C社はD社に対して訴訟を行い勝訴判決もとっていましたが、それでもD社は支払いをしませんでした。
D社の店舗は賃貸であり不動産等の所有等は不明であり、銀行口座も不明でした。
そこで、C社と弁護士は、D社の各店舗に対し動産執行をすることを考えました。飲食店の売上は現金支払が多いことから、当該現金から回収するため、取引先の全店舗に対して、動産執行を行いました。動産執行をするにあたり、売上金(現金)が多く存在する週末の閉店時間を狙いました。その結果、約300万円の債権全額の回収が実現しました。
E社は、主に建築材の販売を業務とする株式会社でした。
E社は、取引先であるF社に建築材の売買代金約300万円の売掛金がありました。
F社からの入金が遅延し、最後には全く入金がなくなりました。
F社の店舗は閉店状態であり、代表者とも連絡が取れません。
一方、E社は、F社がG社に対して売掛金を有していることを知っていました。そこで、この売掛金から未回収の売掛金300万円を回収することが考えました。
E社と弁護士は、すぐにG社を第三債務者として、F社がG社に対して有する債権について債権仮差押命令申立を行いました。
仮差押命令決定後、すぐに本案訴訟を提起し勝訴判決を得ました。その後、強制執行を行い、最終的に、E社は、未回収の売掛金のうち約200万円を回収できました。
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