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13兆円賠償命令|東電原発事故

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東京電力の福島第1原発事故で起きた被害は、人的被害、物的被害、国内外へ与えた風評被害など様々な被害を引き起こし、その被害額は膨大なものとなります。

この事故について、東電の株主が、旧経営陣5人に対し、津波対策を怠ったことで東電に巨額の損害を与えたことを理由に、総額22兆円を賠償するよう求めた株主代表訴訟がありました。

原発の安全神話が崩れて久しいですが、東電で(1)津波対策の十分に行われていたか、(2)その津波対策をしていれば被害は防止できたかが主な争点となります。

(1)津波対策について                                                  東電の子会社は、2002年に政府の地震調査研究推進本部が公表した地震予測「長期評価」に基づき、2008年3月に福島第1原発に最大15・7メートルの津波が到達すると試算しました。

これを受けて東電の旧経営陣は、その試算を津波対策に取り入れるべきかどうかの検討を土木学会に依頼する方針を決定しましたが、それ以上のことはされませんでした。

この点について、東京地裁は最大15.7メートルの津波が到達するという試算は、相応の科学的根拠があり、旧経営陣はこれについての対策を施す義務があることを認め、「津波対策を先送りしたと評価すべきだ。著しく不合理で許されない」と指摘し、津波対策をすべき義務を認定しました。

(2)津波対策で被害は防げたか                                                この点については科学的な問題が多く論考は難しいですが、東京地裁は原発の主要建屋や重要機器室に浸水対策工事を実施していれば、津波による重大事故を避けられた可能性が十分にあったと認定しました。

東京地裁は、旧経営陣の安全意識の欠如は著しくかけていることを厳しく批判し、これまでの国内の民事判決で最も高額となる11兆円超の支払いを命じる判決を出しました。

一方で、旧経営陣に対する業務上過失致死傷罪の刑事裁判では、原発について「当時は極めて高度な安全性ではなく、最新の科学的見解を踏まえて合理的に予測される自然災害を想定した安全性の確保が求められていた」とし、旧経営陣の対応が特異だったとは言い難いとして無罪を言い渡しています。

民事裁判と刑事裁判とで判決結果は異なりますが、原発に対する危険性について各裁判官の意識の差(価値観の差)が、どの程度の津波対策を講じるべきだったか(安全意識)という点について、判決結果に大きな相違を与えていることは否めません。

この価値観の差が、行政判断や民事裁判、刑事裁判で結論を異にする判断の基底にあることが、今後の国の原発の運用方法や様々な危険を伴う政策の決定に際し、同じ問題を抱えていることは非常に重要な点だと感じます。

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