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共通テスト流出|受験生が問われる刑法犯罪は?

刑事事件

大学入学共通テスト(15日、16日)の試験中に受験生が「世界史B」の問題が外部にスカイプの通話アプリを使用し、問題分が写真撮影で流出した事案で、受験生にどのような犯罪が成立するのでしょうか。

この点、会社の機密情報を会社所有の用紙にコピーし持ち出した事案では、裁判例は単なるコピー用紙の持ち出しではなく、機密資料の複写物の持ち出しとして窃盗罪を認定しています(刑法第235条)。

電気を無断で利用する行為は、電気の窃盗罪(刑法第245条)に該当します。

これらの判例からすると、機密情報を撮影して、同撮影データを取得した時点で窃盗罪の成立を肯定しても良いかのように感じられますが、情報窃盗を認めるためには情報自体は窃盗罪の財物ではなく、それを自己のカメラで撮影しても、財物の取得と評価することは現段階で肯定されていないようです。

今回、流出した試験問題については偽計業務妨害罪(刑法第233条)で事情聴取が進められています。

偽計業務妨害罪とは「虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」(刑法第233条)という内容です。

共通試験を業務と捉えることは特に問題はありません。

試験中に問題用紙を携帯アプリで撮影し外部流出させたことが、偽計(人の業務妨害を目的に他人の不知又は錯誤を利用する意図をもって錯誤を生じさる手段を施す行為)に該当するか、業務が妨害されたのかについて業務を妨害するに至ったのかについては、試験中に業務が滞っていないことから、偽計業務妨害罪が成立するかについて疑問が残ります。

過去の似たような事例では、携帯電話で掲示板に試験問題を転送し、掲示板で閲覧者に回答を求めた事案では試験時間中に職員が掲示板の確認等の作業に追われた事実があり、このような場合には偽計業務妨害罪が成立した事案があります。

判例上は、偽計業務妨害罪は、実際に業務の遅延や障害などなくても、その恐れがあった場合には業務妨害罪の成立を認めているため、結果として本件では偽計業務妨害罪が成立すると考えられます。

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