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フリーランス保護新法とは?

企業法務債権回収顧問弁護士

特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律案(いゆわる「フリーランス新保護法」)が、参議院で成立し、2024年10月から施工が見込まれます。

フリーランス保護法とはどのような法律なのかのでしょうか。

これまで、特定の受託事業者間の取引に起用される法律は、下請法のみでした。

下請法によると、発注事業者、受注事業者の資本金の関係により法令の適用の有無が変わりましたが、下請法の適用がない場合にもフリーランス保護法により、類似の義務が発注事業者に課されることになります。

1 誰に適用されるか?

①「特定受託事業者」とは、「業務委託の相手方である事業者であって従業員を使用しない者」で、一人会社が含まれます。

②「特定受託業務従事者」とは、「特定受託事業者である個人及び特定受託事業者である法人の代表者」で、フリーランスや個人事業主が含まれます

③「業務委託」とは、「事業者がその事業のために他の事業者に物品の製造、情報成果物の作成又は役務の提供を委託すること」を指し、下請法の定義と同様のため、幅広い取引に適用されます。

2 適用される義務

①給付の内容、報酬の額等を書面又は電磁的方法により明示する義務。

②給付を受領した日から60日以内の報酬支払期日を設定し、支払う義務。

③特定受託事業者の責めに帰すべき事由なく、受領拒否、減額、返品の禁止、内容変更ややり直しの禁止。

④正当な理由なく、指定したものの購入や役務利用を強制を禁止する義務。

⑤自己のために金銭、役務、その他経済上の利益の提供させるの禁止する義務。

⑥募集情報を出す際は、虚偽の表示は禁止、かつ最新の状態にする義務。

⑦育児介護と両立し業務を行えるよう申出に応じて必要な配慮をする義務。

⑧ハラスメント行為に関わる相談対応の体制を整備する義務。

⑨中途解除する場合は、30日前に予告する義務。

3 フリーランス新保護法に違反した場合

公正取引委員会、中小企業庁長官又は厚生労働大臣は、特定業務委託事業者等に対し、違反行為について助言、指導、報告徴収・立入検査、勧告、公表、命令をすることができます。

なお、 命令違反及び検査拒否等に対しては、50万円以下の罰金が科せられ、法人には両罰規定が設定されています。

4 今後の対応

企業は、これまで口頭での依頼や、発注後に金額を減額するなどの行為は、下請法が適用されない限り、処分されることはありませんでしたが、フリーランス新保護法により、企業は、今後、取引相手の規模や属性(フリーランス、個人事業主、一人会社など)に関わらず、下請法と同様に契約書、支払期限などの点を注意し、取引をしなければ、罰金を科せられるため、注意をする必要があります。

不当な取引内容や、下請法などでお悩みの方は、お気軽に当弁護士事務所へご相談下さい。

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