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刑事事件の前科とは、その不利益

刑事事件

札幌の弁護士【みずほ綜合法律事務所】の「刑事事件講座1回目」です。

今回は、「前科」についてお話したいと思います。

前科という言葉は「過去に犯罪をした人」という意味で使われることが多いかもしれません。

しかし、我々の業界で前科というと、「過去に裁判で有罪判決を受けた人」のことをいいます。

例えば逮捕されたけれども、裁判にならずに終了した(このことを「不起訴処分」といいます。)場合には「前科」とはいいません。「前歴」などと呼びます。

この「前歴」は、一般には犯罪の嫌疑をかけられ警察の捜査対象となった人のことをいいます。

「前科」と「前歴」は、似ている言葉ですが、実際は、その意味は大きく違います。

例えば、「前科」(正確には、前科のうち「禁固以上の刑」になった場合なので、罰金の場合は除かれます。)がつくと、資格を必要とする一定の職業に一定期間、就職できないという不利益が生じます(「前歴」の場合はこの職業制限はありません。)。

私どものような弁護士を始めとして、裁判官、検察官や、国家公務員、地方公務員、学校の教師や保育士などの職業は、禁固以上の刑となった場合には、例外なくこれらの職業に就くことができず、これらの職業に既に就いているときは失職します。

この制限は、執行猶予であったとしても、禁固以上の刑であれば適用されますので注意が必要です。

また、医師、薬剤師、看護師などは、「前科」(罰金以上の罪)がつくと、絶対ではありませんが、処分の対象となり、場合によっては失職の可能性もあります。

したがって、これらの職業に就いている人が逮捕されてしまった場合、職を失わないためには、裁判になること(医師などの場合には罰金になることも。)を避けなければなりません。そのためには、逮捕されたらすぐに弁護士に依頼し、迅速に適切な弁護活動(被害者の方への謝罪・示談など)を行ってもらう必要性が高いでしょう。

ちなみに、このような職業制限は一生制限されるわけではありません。

それぞれの職業の制限を定めた法律ごとに記載されていますが、刑務所に行く場合には、刑の執行(刑期)を終えるまでの制限の場合、刑の執行を終えてから5年、10年以上経過するまでという制限の場合があります。

執行猶予の場合は、執行猶予期間が経過することで刑が消滅することから、同期間の経過をもって、上記の制限がなくなります。

以上、今回は主に前科による職業制限についてお話しました。

刑事事件でお困りのことやご不明な点がありましたら、札幌の弁護士事務所のHP「刑事事件」をご参考にしてください。

 

 

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