トップページ > ブログ > 福島原発事故(千葉地裁判決)

ブログ

福島原発事故(千葉地裁判決)

その他

9月22日千葉地裁で、東京電力福島第1原発事故の影響で、福島県から他県に避難した住民らが国と東京電力に約28億円の損害賠償を求めた事案で、裁判所は、国に対する賠償義務を否定し、東京電力に対し賠償を認める判決を出しました。

主要な争点は、国と東京電力が、今回のような大規模の津波を予見できたか(予見できなければ対応策がとれず責任なし)、対応策が取れたか(対応策がなければ被害を回避できないため責任なし)です。

原告(請求する側)の主張では、政府の地震調査研究推進本部が02年に公表した長期評価などを基に、国と東京電力は約10メートルの原発敷地高を超す津波が来ると予見できたにも関わらず(予見可能性)、東京電力は浸水対策を怠ったこと(対策義務)、国は東京電力に対し対策を命じる規制権限を行使しなかったこと(対策義務)となります。

裁判所は、今回の津波を予見することは可能であったことを認め、東京電力に対し、対策を講じなかったことによる賠償を認めましたが、国に対しては、当時、東京電力に対し、浸水対策を命じる権限はなかったと認定し、国の賠償義務を否定しました。

経済と人の生命身体の安全の調和は、資本主義国では常に課題となるものですが、一旦ミスや事故が起きると制御がきかないものや後戻りができないものは、現在だけでなく、将来の人や環境に対する責任という視点を加味して判断する必要があるのではないかと考えられる問題かと思います。

「安心」と「信頼」をお客様へ。

みずほ綜合法律事務所(札幌弁護士会所属)は、個人や会社に安心と信頼をお届けしてきました。

20年以上の実績を持つ弁護士が、実績と知識に基づく確かな解決をご提案させて頂きます。

ページの先頭へ