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名ばかり取締役に労災認定はされるのか?

企業法務労働問題顧問弁護士

名ばかり取締役とは、労働実態が従業員であり、取締役として会社の経営に関与していない人のことを指します。

何らの権限がなく、残業代の支払いがされない名ばかり取締役は、人件費を抑えるために増加傾向にあります。

労災が適用となるのは「労働者」ですが、取締役は労働者に該当しないため、名ばかり管理職は、労働者ではないため労災が受けられない、会社から労働者と同様の保護を受けられないという問題点があります。

この点、運送会社の名ばかり取締役の男性(業務内容:運送業務)が最長月220時間を超える残業により脳出血を発症した件について、男性は労働基準監督署に労災認定を求めました。

これに対し、労働基準監督署は取締役を理由に労災を認定せず、審査請求でも認めず、再審査請求で男性はようやく「労働者」と認定されました。

労災認定の判断理由は、①取締役会に全く参加していないこと、②業務執行権限を有してないこと、③主として現場業務に従事していたこと、④従業員の退職手続きが行われていないことなどが挙げられました。

その他にも、名ばかり取締役の問題点は、勤務の有無や労働時間の長短に関わらず、一定の固定給が出ますが、実態としては長時間勤務をしているのに残業代の支払いがなされないなどの問題点があります。

男性は会社を相手として安全配慮義務による損害賠償を提訴しており、今後、名ばかり取締役か労働者かの判断基準が争われることになります。

このような名ばかり取締役の問題でお悩みの方は、お気軽に当法律事務所へご相談下さい。

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