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通勤時に台風で死傷|会社は賠償義務を負うか

労働災害

昨今、大型の台風が日本に上陸し、大きな被害をもたらすことが増えてきました。

自治体、飲食店、交通機関などは、事前に対応策を検討し、今回の台風19号では、大型スーパーが多店舗の事前休業やコンビニがオーナー判断による自主休業などが報じられ、台風の深刻な被害を避けるよう努めています。

このようななか、企業が台風時に出社するかしないか従業員の自主判断に任せている会社(企業)に責任はでないのでしょうか。

例えば、台風により看板や屋根などの落下物に、従業員が通勤時や退勤時に衝突した場合の怪我などに企業が責任を負うことはないのかを考える必要があります。

会社は、従業員に対し、安全配慮義務を負っています。

安全配慮義務は、労働契約法第5条で、従業員の就労に伴う身体生命への安全への配慮を行う義務で、これを会社が怠り、従業員に死傷の結果が生じた場合、従業員に生じた損害を会社は賠償する義務を負います。

会社は、報道などにより台風により想定される被害の規模を容易に知れる近年の傾向からすると、通勤時や退勤時に従業員にどのような被害が生じるかを予想することは可能です。従って、台風により従業員に通退勤時に被害が生じることを避けるために、会社から事前に各従業員へ自宅待機、休業、自宅ワーク、時差出勤、社内宿泊など事前の対応を連絡をしておくことが肝要です。

このような会社からの指示がない場合は、従業員は自主判断で、出勤や退勤を判断し、出退勤の際に台風による影響で怪我を負った場合に、会社は従業員に対し、安全配慮義務違反を根拠に賠償義務を負うことになります。

むろん、予想できない台風の影響などによる従業員の被害は責任を負わない場合もありますが、昨今の台風の被害状況からすると、予見可能性はあったと判断される傾向が強まるものと思われます。

会社や従業員は、このような労働災害を避けたいものですが、生じてしまった場合はお気軽に当事務所へご相談下さい。

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みずほ綜合法律事務所(札幌弁護士会所属)は、個人や会社に安心と信頼をお届けしてきました。

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