トップページ > ブログ > 社員独立制度は雇用契約の脱法か?

ブログ

社員独立制度は雇用契約の脱法か?

フランチャイズ企業法務労働問題

 従業員は、雇用契約により採用され、労働基準法や労働契約法により強い保護を受け、余程の事情がない限り、解雇をされることはない。では、従業員を独立させ、元従業員との間で業務委託契約を締結した場合、業務委託契約の解除、更新拒絶などは強く保護されるのだろうか?

 冠婚葬祭の大手のベルコが、同社の業務を元従業員に業務委託として行わせ業務委託が解除された事案で、業務委託は実質的に労働契約あり、不当解雇に該当するか否かが争われていた札幌地方裁判所の裁判で、業務委託契約は雇用契約ではないとの判断が裁判所で示されました。

この裁判の問題点は、元従業員を独立させ、同様の業務を業務委託契約という形式で行わせること(いわゆる「社員独立制度」)は、雇用契約に伴う労働基準法や労働契約法を免れる脱法行為ではないか?という点にあります。

 業務を雇用契約以外で行わせる同様の方法としては、業務委託の他に、フランチャイズ契約、代理店契約など様々な手法が考えられます。

 各契約毎(雇用契約、業務委託契約、フランチャイズ契約、代理店契約)に当事者の法律上の地位は異なり、適用される法律関係が異なるため、契約の解除や更新拒絶などについては、通常は、各契約の内容毎にその適否が判断されます。

 社会独立制度による業務委託契約は、不況を背景としたコストカット、収益変化に対するリスク軽減など企業側の要素が多分に含まれており、元従業員に対する十分なリスクの説明のないまま、雇用契約を業務委託契約などに変更することは、雇用契約の適用を免れる要素があることは否めないものと思われます。

 このような社員独立制度による業務委託などに対しては、業務委託契約の解除などに対し、雇用契約の解雇の基準を用いるか、または少なくとも一般的な業務委託契約より相当程度に厳しい制限解釈を行うことが必要ではないかと考えられます。

このような問題は、当事務所でも相談対応しております。

 労働問題、業務委託契約、フランチャイズ契約、代理店契約などの解除でお困りの方は、お気軽に当事務所へご相談下さい。

「安心」と「信頼」をお客様へ。

みずほ綜合法律事務所(札幌弁護士会所属)は、個人や会社に安心と信頼をお届けしてきました。

20年以上の実績を持つ弁護士が、実績と知識に基づく確かな解決をご提案させて頂きます。

ページの先頭へ