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新型コロナウィルス用ワクチンの接種がなかなか想定どおりに進んでいません。
ワクチン接種のために、新型コロナウィルス用ワクチン接種の予約受付センターには、ひっきりなしに電話がかかってきます。
電話は繋がりにくく、ようやく繋がった電話ではコールセンターのオペレーターに対し、暴言をいい、オペレーターは病気になる人や退職に追い込まれる人が出ていますが、このような場合、暴言を言った人に法的責任が生じないかを考えてみたいと思います。
早くしろよ、どうなっているの?というイライラをいう程度であれば特段の法的責任を問われることはありません。
但し、以下のような場合には刑事犯罪に該当する場合が出てきますし、民事上の不法行為責任を問われる可能性が出てきます。
〇オペレーターが恐怖感を覚えるほどに暴言を怒鳴ることを繰り返す場合 刑法上の暴行罪が成立する可能性があります。刑法上の暴行とは不法な有形力の行使であり、この有形力には「怒声」なども含まれます。
〇上記のような暴言が原因でオペレーターが病気になった場合 刑法上の傷害罪が成立する可能性があります。暴行の結果、病気という傷害を負ったためです。
〇オペ―レーターの生命、身体、財産に対し危害を加える旨の告知が含まれる場合 「お前、殺すぞ。」など相手方の生命、身体、財産に危害を加える旨の文言が含まれている場合は、刑法上の脅迫罪が成立する可能性があります。
〇頻回にコールセンターに電話をかけ、暴言を言い続ける場合 例えば、コールセンターで接種時期は現在未定ですなどの回答を受けながら、同じ回答となることを分かっていながら嫌がらせのためにコールセンターに何度も電話し、オペレーターにその度に「接種時期を早くしろ」、「時期を確定させろ」、「いい加減にしろ」と行う行為は、刑法上の威力業務妨害罪に該当する可能性があります。
上記の場合はそれぞれ民法上の不法行為が成立する可能性が当然にあります。
苛々がつのることは理解できますが、オペレーターに苦情を伝えても、オペレーターに権限はないため、問題の解決に繋がらず、それどろこか、苦情を超えた怒りをそのまま暴言として怒鳴ると、オペレーターが病気や退職などに追い込まれ、電話をかけた人も民事、刑事の法的責任を負うことになりかねません。
電話をかける人は自身の発言に気を付けるとともに、コールセンターの経営者は安全配慮義務に従って、オペレーターを保護するようにして下さい。
当事務所では、コールセンターの苦情、クレーム問題に対し、法的対応マニュアルの作成や、代替窓口となる対応を行っておりますので、お困りの企業の方はお気軽に当法律事務所へご相談下さい。
みずほ綜合法律事務所(札幌弁護士会所属)は、個人や会社に安心と信頼をお届けしてきました。
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