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大津地裁判決|いじめ賠償命令

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学校でのいじめに対し、不法行為による損害賠償金は認められるか?

形式的には、いじめで、自殺へと追い込んだ加害者に賠償金の支払いは命じられるのは当たりまえのように思われるかと思います。

しかし、現実の裁判では、「いじめがあったのかなかったのか」、「いじめの程度」、「いじめにより自殺したのか」、「自殺は、その人の固有の性格が影響しているのでは」など、様々な争点があり、賠償金の支払いを否定されたり、低額の賠償金支払命令で済む事案が多いです。

これまでのいじめの裁判では、いじめがあったとしても、全員が自殺するわけではなく、その人の性格が影響しているとの理由で、賠償金の減免の理論に多用されていました。

しかし、3月19日の大津地裁判決は、元同級生2人の加害行為が、生徒の自殺に結びついたと明確に因果関係を認めました。

いじめに遭い、希死念慮(自殺をしたいという願望)を持つか否かは、人それぞれ全く異なると言えます。それはその人の性格の問題であったり、家庭環境であったり、友人関係など様々な要因が影響することは否定できません。

しかし、大津地裁では、これまでいじめの加害者にテンプレのように利用されていた責任を否定する理論に対し、「いじめ行為が生徒に対し、孤立感や無価値感、更に2人との関係からの離脱が困難だという無力感・絶望感を形成したこと」、「こうした心理状態に陥った人が自殺に及ぶことは一般的に起こりうる。」と従来のテンプレを否定する枠組みでの判断を示した点が画期的です。

これまでのようにいじめによる自殺は例外との大枠から、いじめで自殺は起こりえると、被害者の立証の程度を下げ、加害者の反証責任を強めたものとも評価できます。

学校でのいじめ問題に、大きな警鐘を鳴らす裁判例です。

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