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雇用条件に「ワクチン接種」|違法か合法か?

企業法務労働問題新型コロナ

新型コロナワクチンについて、アメリカと日本では、異なる傾向が見られます。

アメリカでは、雇用条件にワクチンを受けていることを条件とする企業が多いのに対し、日本ではそのような採用条件をつけている求人はまだ見かけません。

ワクチン接種に対し、日本とアメリカでの考え方が異なるという文化的背景がありますが、日本で新型コロナワクチン接種を労働者の採用条件とした場合、法律的に問題となるのかを考えてみたいと思います。

経営者は雇用に際し、従業員を自由に採用する権利を有していますが、この自由は完全な自由ではなく、一定の制約が法律により課されています。

例えば、男女雇用機会均等法などにより男女で採用基準を設けることは原則違法となります。

このように採用基準の当否が法律により明確に定められている場合には、苦労をすることはありませんが、コロナが慢性化するなかで現時点でワクチン接種を採用条件として良いかは明確な基準がありません。

大きな視点では、憲法上保障されている「経営の自由」と「思想信条の自由」などが対立する場面で、どちらがどの程度保護されるのかの問題となります。

思想信条の自由は内心の考えを保護するものであり、新型コロナワクチン接種との関係では、接種をするか否かは個人の自由とされています。これはワクチンにまだ安全性の担保が保証されていないことを大きな根拠としているものと思われます。

ワクチンの接種自体は、ワクチンが安全と科学的にある程度立証されるまでは、内心の自由や選択の自由などにより強く保護されるでしょうが、あくまでそれは接種するかしないかの選択権の問題であり、他者の健康を害する場面では一定の制約を受けざるを得ないものと考えられます。

例えば医療関係者などの職種では、職業の性質上、患者などにリスクや不安を与えることは避けるべきという点は重視されるため、ワクチン接種を採用条件としても、違法と評価することは困難ではないかと思います。

難しいのは、どのような業種やどのような規模の会社であれば、このようなワクチン接種を採用条件としても違法とならないかという点です。

新型コロナを積極的に縮小させることを目的とする職種かそれ以外か、企業の人数ではなくその職業の性質上、密の状態とならざるを得ない性質の職種かなどその事業目的や、安全性の確保の観点などのから、必要性と相当性が認められる場合は、採用条件にワクチン接種を付すことは合法と評価されるものと考えられますが、現時点ではこれらの考察をせずにワクチン接種を採用条件とすることは違法と評価されるものと考えられます。

根底には、ワクチンの安全性や弊害性が科学的に不透明という点があることは否定できないため、現時点ではワクチン接種を採用条件にしない方が良いのではないかと考えられます。

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