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札幌高1自殺訴訟

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2013年に札幌市の高校1年の男子生徒(当時16)が自殺したのは、教諭から受けた不適切な指導が原因だったとして、北海道に約8400万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が13日にありました。

札幌高裁は教師の指導は適切とは言えないと認定しながらも、自殺の予見可能性が認められなかったことを理由に、自殺という結果について教師の責任を認めませんでした。

一般的に何かの結果について責任を負う場合は、(1)予見可能性と結果回避可能性があること、(2)結果回避の注意義務を尽くしていないことの2つの要件を満たす必要があります。

教師の指導が厳しさや理不尽性が強ければ強いほど、生徒が自殺するという予見可能性は認定されやすくなります。

逆に教師の指導の厳しさや理不尽性が弱い場合は、生徒が自殺するという予見可能性が認定されずらくなります。

本件では、教師の指導は不適切であったが、その厳しさや理不尽性は生徒の自殺を予見させるほどのものではなかったと札幌高裁は評価したものです。

このような自殺問題の認定は非常に難しい問題があると思います。

自殺をした子がどうしてそのような選択をしたのかをその心の中を客観的に分析するのは非常に困難だからです。

教師から不適切な指導を受ける前に男子高校生が蓄積していた不安や苦痛のうえに、教師の不適切指導が加わり、自殺に至った場合は、自殺は教師だけの責任ではありませんし、男子高校生の心の苦痛を医療的な検査器具で図ることができない以上、教師に予見可能性がどの程度あったかを認定することは非常に難しいと言わざるを得ません。

但し、このような問題は上記のような理由から放置されてよいものではありません。

このような不適切な指導による自殺という出来事を出来るだけ避けるためには、教師に対し、不適切指導などにより生徒が亡くなった事例を集積した自殺防止の研修制度を義務化するなどして、教師が生徒の自殺の可能性を予見できるようにしていくのが、教師にとっても生徒にとっても良いのではないかと考えます。

 

 

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