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経歴詐称と懲戒解雇について

企業法務労働問題顧問弁護士

この時期に入社後の従業員に対し、経歴詐称などの理由で解雇がなされることがあり、そのような従業員からの法律相談が増える時期でもあります。

解雇の理由の一つとして経歴詐称があります。面接の履歴書や面接において問われたことに対し、虚偽の申告をしてまうことです。これまでの職歴や、学歴などの経歴について異なった内容を申告し、就職後に経歴詐称が判明した場合に、会社から懲戒解雇される場合がありますが、これは法的に有効なのかを考えてみたいと思います。

会社で従業員の解雇が有効となるのは一般的には、①就業規則に経歴作業が懲戒解雇事由であることの記載があること、②、懲戒事由について十分な弁明の機会を与えること、③懲戒処分を行うことが客観的に合理的であり、社会通念上相当であることの三つの要件を満たしている必要があります。

(1つ目の要件)多くの会社では、経歴詐称を懲戒解雇の理由として就業規則に記載しているため、経歴詐称で懲戒解雇をする場合にこの要件を争うことは少ないかと思われます。

(2つ目の要件)会社により対応が異なることが多いのが従業員に弁明の機会を与えたかどうかですが、未だに多くの会社ではこの点について、十分な機会を与えていないことが多く、十分な弁明の機会を与えない場合、後でその他の要件を満たしているとしても、この要件を欠いた場合は、懲戒解雇が無効となる余地があります。

(3つ目の要件)経歴詐称に対し懲戒処分を行うことが客観的に合理的で、社会通念上相当であると評価できるかの要件ですが、この要件が、解雇が有効か無効かの最も重要な要件になります。

事例毎に異なるでしょうか、会社は採用の条件として大卒か高卒かを区別して給与面などの待遇、業務内容も異なるような事案で高卒者が大卒と虚偽の申告をした場合は、この経歴詐称に対する懲戒解雇は有効となる可能性が高いと思われます。

逆に高卒枠の募集について、大卒であるにも関わらず、高卒であると虚偽の申告をして採用された場合も、経歴作業として懲戒解雇は有効となる可能性は高いと思われます。

経験者優遇を条件とする募集で、経験者でないにも関わらず、経験者であることの記載をした場合も、解雇は有効となりやすいと思われます。

逆に、募集に際し、学歴や職歴などを募集に際し、重要視していない会社場合、経歴詐称による懲戒解雇が有効か否かは、判断が分かれやすくなります。例えば、学歴や経験不問として募集をした場合、学歴や経歴詐称を理由とした懲戒解雇は無効となりやすいでしょう。

学歴や、職歴を重要視することを特に明示していない会社でも、日本では学歴や職歴に注目して採用を行う会社が多いことか経歴詐称は解雇事由となりやすいと言えます。但し、小学校や中学校の学歴などや、職歴の年数などに関しては、その企業がどれほどその事由を採用判断に際し重要視したか、それが異なる場合に採用しない企業がどの程度いるかなどの観点からは、経歴詐称による解雇が無効となる場合はありえます。

経歴詐称での懲戒解雇は認められやすい傾向がありますが、それはあくまで傾向に過ぎず、無効とされる事案も相当数あるため、このような労働問題でお困りの際は、お気軽に当弁護士事務所へご相談下さい。

また、企業の方は経歴詐称の場合でも、軽々に懲戒解雇処分とすることなく、顧問弁護士などに相談することをお勧めします。

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