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介護殺人と量刑判断

刑事事件

高齢化社会で、高齢者を若い世代や年老いた人が見る老々介護などが日常的に存在します。

近年、介護疲れにより被介護者を殺害してしまう事件が相次いでいますが、そのような介護疲れは殺人罪の量刑に反映されるのでしょうか?

この点、自宅で夫と義理の両親の3人を介護していた被告(72才)が、被介護者3名を殺害した事案について、福岡地裁で判決がなされました。

殺人罪の量刑としては、3名を殺害した場合の殺人罪の量刑としては、無期懲役又は死刑が求刑され、特段の考慮事情がない限り、無期懲役や死刑が判決されるのが一般的です。

本事案では、被告は平成16年頃から3人の介護を一人で担い、殺害の約半年ほど前頃から強いストレスで心身に不調を来す「適応障害」を発症し、被告自身も被介護者3名を殺害後に自殺することを考え、首を絞め殺すに至ったものです。

介護疲れの点について、福岡地裁は、「被告は献身的な介護を続けたが、対処能力を超えて追い込まれた。明朗な性格で人並み以上に重い負担を抱えていた」などの経緯を被告に有利に考慮し「過去の3人殺害の事件より明らかに軽い量刑が相当だ」として、検察官の20年の求刑に対し、懲役18年の判決を言い渡しました。

介護疲れは、程度によりますが、殺人罪における量刑を判断するための大きな考慮事情と取り扱われています。

介護による殺人は、毎年、一定程度の確率で発生する犯罪で、背景事情としては、介護者の対応能力を超えることがきっかけとなっています。

このような悲惨な介護殺人がおきないよう、社会的な援助制度の拡充やこれを利用することの啓蒙活動が必要に感じられます。

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